【こんな「キャッシュフロー経営」で大丈夫?】

 企業の財務状態を確認する時に、
累積的な経営成績―――つまり、資産情報を見るための貸借対照表、
ある営業期間における短期的な経営成績―――つまり、利益を確認するための損益計算書、
そして、実際のお金の流れを確認するためのキャッシュフロー計算書があります。

 現在では、企業の状況を把握するために、キャッシュフローが重視されることが多くなってきました。キャッシュフローの面では、企業の運営状況をごまかすことが難しく、また、企業が存続できるかどうかはお金がちゃんとあるかどうかにかかっているからです。

 当然ながら、この流れは、キャッシュフローを重視する経営につながります。これは、企業にとってもちろん重要な考え方です。たとえ黒字でも、現金がなければ、企業は立ち行かなくなってしまうからです。ところが、キャッシュフローを重視して、暴走してしまう企業があります。

 お金はめぐるものです。仕入先から商品や材料を購入し、当該企業で何らかの処理をして、販売先へと売って現金化する―――

事業の流れはお金の流れです。

 ここで、自社に一番有利な資金状態を創り出そうと思えば、仕入先に対しては、お金を払うのを極力渋り、販売先にはすぐに販売代金を現金化してもらうという方法が有効です。ところが、自社に極端に有利なサイト管理は、仕入先や販売先を圧迫します。取引先、販売先は敵ではなく、搾取するべき相手でもなく、協力者です。
短期的な優位だけを目指すのではなく、黒字「継続」経営を考えるのであれば、良好な関係を築いていかなければ、質の高い協力者は離れていってしまうことでしょう。