【中小企業に必要な「調整」「リーダーシップ」が何かを理解し機能する体制を作る】
経営計画を作る、ことの大切さは以前に論じたとおりです。しかし、「協業」には、経営計画を実際に実現していくための力が必要になります。
それが、「調整」「リーダーシップ」です。まず、「調整」力ですが、全ての従業員が目指すべきレベルでは、仕事でイレギュラーが起こった時に報告・連絡・相談を適宜行ったうえで、解決策まで打ち出せる人材です。ただ、これだけでは「協業」には足りません。もう一つは、一つ一つの作業のつながり、予算と実績の食い違いといったマネジメントレベルで、問題を解決できる「調整」の力が求められます。
そして、「リーダーシップ」。従業員が個人レベルで目指すべきリーダーシップは、自立型の人材になることです。しかし、マネジメントレベルでは、「調整」のために考えた施策についてきてもらわなければなりません。
この力を育てるためには、経営者が、幹部候補の人材に対して、実際に「調整」の仕事を任せる以外にありません。そのためには、経営者自身が計画を立て、自分の考えを明確に表現して、幹部候補の人材に納得してもらう必要があります。さらに、その人材に権限を委譲し、マネジメントの仕事を任せることが重要です。ここで、いちいち介入してしまえば、リーダーは育たないでしょう。つまり、経営者にとっての「調整」「リーダーシップ」は、いかに細々とした指示をしないで、リーダーを育て、我慢することができるか、ということにあります。