(資金繰り)
金融機関は、資金を貸して利息収入を得る事業を営んでいます
その意味では、貸付をして元本と利息を回収するのが、銀行の融資ビジネスモデルなのです。
そのため、貸し手である金融機関にとって最も大切なことは、まさにA社が成長事業であるかどうか、A社の事業が社会的にインパクトを持つかどうかではなく、貸した資金が利息ともども確実に返ってくるかどうかということになるわけです。それが本業なのですから…。
こうした背景から、たとえば『創業からの事業年数』を問題にします。
事業年数が短い企業は、すぐにでも倒産廃業するかも知れず、貸し倒れの危険が大きいからです。
社長の前職が問題なのは、頻繁に仕事を変える人は、またすぐに別の仕事に移ってしまい、やはり貸付が戻らない懸念があるからです。
今までの借り入れ経験を聞くのは、おカネを借りることの重みを、どう理解しているか知りたいからかもしれませんし、貸し手に対する基本的な態度をチェックしたいからかもしれません。
金融機関にとって最も重要なことは、一口で言えば『バランス感覚』であると言えるかもしれません。
何が何でも自社を成長するというよりも、成長と利益確保、資金確保のバランスをとる経営者が好ましいと言えるのです。これはまた黒字を継続していくうえで、不可欠であることは言うまでもありません。
成長と利益確保、資金確保のバランスをとるためには、いわゆる「管理」が必要になります。
ビジネスモデルは社内業務として落とし込まなければ現実の「儲け」にはなりません。
実際に「儲ける」ためには無駄の少ない効率的な業務フローを構築する必要があります。
多くの会社でこれらの業務フローを「管理」という言葉に置換えてしまう傾向があります。
「管理」という言葉は、一つの具体的な作業を指す言葉ではありません。
担当者に「しっかり管理しておけ」と言っても、具体的な業務には結びつかないのです。
「管理」という言葉には不思議な魔力があるようで「管理しています」という一言で、全ての業務が何となくうまくいっているようなイメージを持たせてしまうようです。
弊社では毎月ご訪問させていただく中で、「業務フロー診断」を実施し、効率的な無駄の少ない業務フローのご提案をさせていただきます。
具体的な事例をお示しいたしましょう
一般的な企業を例にとると、発注、納品(検品)、支払、保管、受注、出庫(検品)、検収(売上先)、請求、入金確認、といった業務があります。これらの業務はそれぞれ相互に関係する事から、それぞれの業務担当者間で必要となる情報をやりとりしなければなりません。
情報の伝達がうまくいっていない場合、例えば「発注」数量のうち、「納品検品」時に一部不良品があったため、仕入先に返品したにも係わらず、請求書通りに返品分も含めた金額を「支払」ってしまった、等という失敗が発生する事になるのです。
また、それぞれの業務には、ポイントがありそれを担当者に徹底させる必要があります。
入金確認業務においては、入金があったことだけではなく、取引先ごとに入金額が正確であるか、合意された支払条件通りの入金か、 確認しなければなりません。
ほとんど意味がありません。
後日実施作業を確認できるような作業表を作らなければ、作業がしっかりなされない事になるのです。
どのような優れたビジネスモデルでも、現実に儲かるようにするためには、ポイントを理解した上で業務フローを構築しなければならず、それに失敗した場合はせっかくの儲けが社外へ流れ出てしまうことになるのです。